ゆで卵って水から?お湯から?
殻がうまくむけなくてボロボロになる・・・
ゆで時間は何分?
穴開けたりめんどくさい!
ゆで卵って一見簡単そうで、意外と細かいコツが多いんですよね。いざつくるときに、「あれ!?どうするんだっけ?」ってなることって結構ありません?
その中でも一番イラつくのが、殻や薄皮が卵にガッチリ張り付いて、ぜんっぜんむけない!無理矢理むくと超ボロボロになって最後には黄身しか残らないなんてことも。
あの瞬間は本当にストレスたまりますよね。
でも、もう安心してください。
料理人歴15年、仕事やプライベートで100万個以上ゆで卵を作ってきた調理師の私が、こんな悩みをズバッと解決します!
そして実は、いくつかの簡単な決まりを守るだけで、誰でもズボラでも確実につるん!ぺろん!と簡単にむけちゃうゆで卵を作る方法があるんです!いつでも安定的に狙った状態にゆであがるので、仕上がりにもバラつきがありません!
この記事では下記のコツについて詳しく解説しています
- たっぷりのお湯を沸かそう
- 卵はお湯が沸騰してから入れよう
- 冷蔵庫から出したばかりの冷えた卵を茹でよう
- 茹で終わったらすぐ冷やそう
- 卵の上下と周りにひびを入れよう
- とがっている方(上)の殻を薄皮ごとむしり取って穴を開けよう
- 上から水をかけながらむこう
最後まで見て頂ければ、殻がむきやすく安定したゆで卵を、楽で簡単に作れるようになります。
そして、もう二度とたかがゆで卵で頭を悩ませることはなくなります。されどではありません。たかがです。ゆで卵の殻ごときに自分の大切な時間を奪われるわけにはいきません。こんなものはコツを使ってちゃっちゃか剥いて、浮いた時間を有意義に使いましょう。
ということで、一つずつ詳しく見て行きましょう。
ゆで卵を茹でる時は、沸騰させたたっぷりのお湯からゆでる
まずは、生卵の状態からゆで上がるまでのコツです。ポイントが4つあります。
- 沸かすお湯の量
- 卵を入れるタイミング
- ゆでる前の卵の状態
- ゆで時間
一つずつ見て行きます。
1.たっぷりのお湯を沸かそう
後述しますが、ゆで卵は沸騰したお湯に冷たい卵を入れます。
その為お湯の温度が一時的にぐっと下がるので、お湯の量が少ないと、また温度が上がるまで時間がかかります。そうすると鍋の大きさやお湯の量によって、ゆで時間のムラができてしまいます。
できるだけ沸騰に近い状態をキープできるように、お湯の量はたっぷりにすべきです。
ゆで時間を毎回一定にする、という点で、麺類をゆでる時と同じ考え方ですね。
でもズボラだし水もったいないし、ゆで加減なんてテキトーでいい!って場合は、フライパン等で少ないお湯でフタをして蒸してもなんとなく火を通すことはできます。
2.卵は沸騰したお湯に入れよう
水からゆでると、いくつか面倒くさいことがあります。
- ゆでる卵の量や温度、鍋の大きさや水の量によって沸騰までの時間が一定でない
- 季節や日によってスタートの水温がバラバラなので、ゆで時間を決めにくい
- 沸騰を見計らってから時間を計るとしても面倒
要は、毎回色んなことを気にして条件を揃えてゆで加減を一定にするのが超絶面倒くさい・・・
あなたは指定されたゆで時間が記載されてる麺類を水から茹でますか?
狙ったゆで加減にするには、ラーメンでもパスタでも、卵だろうとやることは同じです。
でもズボラだしガスもったいないし、ゆで加減なんてテキトーでいい!って場合は、水道水と卵を鍋にブチ込んで火にかけてもなんとなく火を通すことはできます。
3.冷蔵庫から出したばかりの冷えたものを茹でよう
これも条件を揃えようって理由です。
3つ注意点があります。
- 温度差でひび割れやすい!でも常温に戻す必要は無し
- 卵を投入するときはオタマを使い1個ずつ静かに入れる(まとめてザルも可)
- 塩は?酢は?特に不要
一つずつ解説します。
温度差でひび割れやすいみたいだけど、常温に戻さなくていいの?
常温に戻すって、常温って何度ですか?
JIS規格では20℃±15℃(5~35℃)の範囲で規定してるみたいですが幅広すぎでしょ笑
季節によっても日によっても違うし。
今日はめちゃ暑いからゆで時間17秒短くすっからやー!とか言わないですよね。
常に冷蔵庫から出したての卵の方が、「常温」とやらよりは、どう考えても温度が一定です。
沸騰100℃に対して冷蔵庫の設定温度(2℃くらい?)なのではい。これこそが常な温度。
条件を揃えるならば絶対この方が合理的です。
沸騰したら冷蔵庫から卵を出してきてそのまま茹でちゃいましょう。オタマでそっとね。
温度差があり、ひび割れやすいと言われていますがハッキリ言って体感ないです。
もし割れて中身が出ちゃっても、能面みたいな表情でマヨネーズを準備しながらそのまま茹でてもらって問題ないです。
そういうヤツはそれなりの大切な役割があるので。(味見)
卵を投入するときはオタマを使い1個ずつ静かに入れる(まとめてザルも可)
ある程度の深い鍋にたっぷりのお湯が沸いてるわけですから、上からぼちゃぼちゃ入れたのでは
- 当然割れます
- 当然やけどします
オタマに乗せて、できるだけ鍋の底に沈めてから、そっと泳がせてやります。
こうすることでかなり割れる確率は減ります。やけどもしません。
「怪我と火傷は自分持ち」なんで、気を付けてくださいね。
デカい鍋ならザルでまとめて入れてもいいですね。
プロの場合、何十個何百個と一度にゆでる時はザルごとゆでたりネット使ったり機械で蒸したりします。
塩は?酢は?
- 塩は沸点を上昇させ、ゆで時間を短縮させます。
- 酢はタンパク質を凝固させ、殻からの白身の流出を防ぎます。
という理屈らしいのですが、恩恵を感じたことは一度もありません。
何万個も作ってきましたが、入れずに困ったことも一度もありません。
個人的には手間と調味料のムダとしか思いませんが、もちろん入れることは構いません。お守り代わりになるかも。入れなくてもつるんとむけるつやつやのゆで卵がノーストレスで作れるので大丈夫です。
卵の鮮度
使用する卵は一般的なスーパーで売られている卵を想定しています。
生みたて卵よりも産後1週間くらいたった卵の方がむきやすいと言われています。
なんで?
卵白に溶けた炭酸ガス→だんだん出てくる→卵殻膜の間に空気の層ができる→隙間できる→むきやすい→らっきー!
大体が産卵後2~3日で店頭に並ぶので、余程の生みたてじゃない限りは卵が新しすぎて薄皮がくっついて大変ってことはないのかなーと思います。
なぜならいつもスーパーで買ってきたおやつ用の卵5パックはすぐにゆで卵にしちゃっても、いつも全部ちゅるんとむけるから。私失敗しないので。
個人的にはスーパーで買う一般的な卵に関してはあまり気にしなくて良いかなと。体感もないし。
4.ゆで時間
ゆで時間については、余程のこだわりがない限りは、2パターンだけ覚えておけばいいかなと思っています。
- 半熟7分
- 固ゆで12分
10分過ぎると卵黄はほぼ固体化します。
本当にざっくりなんですけど、半熟から5分後に全熟みたいなイメージで覚えてもらえるといいかも。
1分ごとで結構固まり方は変わるので、色々試して自分のベストな熟状態を覚えておくと良いですね。
そのためには「条件を揃える」ことが大切です。
離乳食なんかで固ゆでにするときは沸騰から13分ゆでれば間違いありません。保育園で給食を作っている栄養士に教わりました。
ちなみに私のおやつ用は10分固定です。切りが良くてわかりやすいってだけの理由ですがね。ある程度固まっててむきやすいし。
卵が茹で終わったらすぐに冷やしてひびを入れ、流水しながら上からむこう
ゆで終わった直後から、むけるまでのコツです。ポイントが4つあります。
- ゆで上がり直後が勝負の分かれ目
- ひびの入れ方
- どこから指を突っ込むか
- 流水の使い方
一つずつ見て行きます。
最重要ポイントなので必ずチェックしてください。
1.ゆで終わったらすぐ冷やそう
つるんと一発でむけるゆで卵を作る最重要ポイントです。
すべてのストレスの原因はここです。
すぐに鍋をシンクに持って行ってお湯を捨て冷水でガンガン冷やします。夏でも水道水で十分です。
冷水が入ったボールに移そうが、鍋に直接水入れて冷やそうが、冷やし方はどうでもいいです。
大切なことは「急冷」。急冷すると、
- むけやすくなる
- 余熱で火が通りすぎるのを防ぐ
なんで??
急冷→薄皮よりも卵収縮→薄皮と白身の間に隙間ができる→その隙間の蒸気が冷えて水になる→密着してないからつるんとむける→らっきー!
急冷できなかった場合の対処法
何かでタイミング悪く急冷できずに放置してしまった場合、自然にゆっくり冷ますと薄皮と白身はくっつきます。
これ全部ボロボロになんのかッー!絶望。
でも大丈夫。
そんな時はまた加熱して急冷すればつるんとむけることがあります。
しかし当然また火が入りますので狙った半熟度合は通り過ぎます。それは諦めましょう。
ちなみに、冷やしてしまった後、半熟にしたけど再加熱で固ゆでに直したい場合は、また生からゆでる場合と同じくらいのゆで時間が必要です。
2.卵の上下と周りにひびを入れよう
卵の上と下を2~3回ずつぶつけてひびを入れます。
上のとがっている部分は絶対に忘れずひびを入れて下さい。むき始めの起点となります。
そのあと横周りもまんべんなく卵を回しながら1周打ち付けてひびを入れます。
ひびはまんべんなく細かく入ってる方が断然むきやすいです。
両手で挟んで転がしたり、まな板や調理台の上で押さえつけながら転がすのも有効です。
たくさん作った場合は水を捨て鍋を細かくゆすって一度にひびを入れることができます。
やりすぎるとその殻で傷ついてボロボロになるので様子見ながら揺すりましょう。
容器に少々の水と卵を入れて振る技もあるようですが、トロトロ半熟の卵でやると瞬時にグチャ味噌になるので気を付けてください。個人的には手間と洗い物が増えるのが嫌なズボラなので推奨はしません。
3.とがってる方の殻と薄皮を指でつまむようにむしり取ろう
いよいよ殻をむく時がやってまいりました。
皆さんは普段卵のどの部分からむき始めているでしょう?
私の経験上、とがっている部分からむき始めるのが一番楽できれいで確実にむけます。
理由は、最初のキッカケとして一番薄皮を除去しやすいポイントだからです。
ひびが入っているので、親指と人差し指でつまむようにするだけで、てっぺんがむけるはずです。
殻と一緒に必ず薄皮もつまみ取ってください。てっぺんのつるつる頭が見えたはずです。
けっつの方は凹んでいるので薄皮をうまくつまみ取れない時があります。そのため薄皮が残ったりイマイチすっきりとむけないことがあるので私はけっつからはむきません。
4.開けた穴に流水を当てながらつるんとむこう
さっき薄皮をむしり取ったてっぺんから、弱めで大丈夫なので流水を当て、上からむきます。
もうここまでしっかりとやって来たら、どんなにテキトーなむき方をしたってすぐにつるんとむけるはず。
- てっぺんの穴から下まで薄皮と白身の間を水が通り抜けることでつるんとむけるイメージ
- むいた後の殻も同時に洗い流してくれるので、溜め水よりも流水の方がキレイで楽
まとめ:ゆで卵は7つのコツを守れば絶対に失敗しない
ゆで卵を簡単で確実にむくコツは下記の7つでした。
全て簡単で、一生使えるコツなのでぜひ覚えて欲しいと思います。
- お湯はたっぷりと沸かす
- 沸騰したら卵を入れる
- 冷蔵庫から出してすぐの卵を茹でる
- ゆで上がったらすぐ冷やす
- 全体にひびを入れる
- てっぺんの薄皮をむしり取る
- 上から流水当てながらちゅるんとむく
安定したゆで加減にするためにコツ1~3で条件を揃えることが重要。
殻むきを簡単に楽にするためにコツ4~7が必要。
ゆで時間もとりあえずざっくり把握しておけば、そこから微調整で自分好みのゆで加減が見つけることができます。
ゆで時間のざっくり目安
- 半熟7分
- 固ゆで12分
ずぼらポイント
- 塩不要
- 酢不要
- 鮮度気にしない
- 穴あけない
- 常温もどさない
これでもう二度とゆで卵でイラつくことはないはずです。
ゆで卵は、常にストックしておけば低糖質オートファジーダイエットの強い味方になります。今後体重や食事を減らす記事も増やしていきますので、興味のある方は楽しみに待っていてください。
どうかみなさんのストレスと無駄な時間を減らせますように。