南部鉄器の卵焼きフライパンは重い?くっつかない?開封からシーズニングまでを解説!

南部鉄器のたまご焼き鍋の紹介と取扱の解説をしていきたいと思います。

結論を言うと、全然くっつかない!そしてそこそこ重い!

そこで今回は、開封から使い始めまでの準備の手順と使用感について解説したいと思います。

鉄製なので、中華鍋や洋食の鉄フライパンの様に、新品から卸し立ての場合、多少準備が必要なんですよね。

こちらの内容も詳しくわかりやすく説明していきます。

そして最後に実際に一本たまご焼きを焼いてみたいと思います。

最後まで見て頂ければ、初めて知った人も、購入を検討している方も大体のイメージがつかめると思います。

もうすでに持ってる方もくっつくって方や使いにくいって方が、もしかしたらいるかもしれません。

料理人25年の私が、そういう人の悩みも、解決できたらいいなと思っております。

目次

南部鉄器の卵焼き器の紹介

こちら箱です。

黒くてかっこいい

伝統工芸の古臭いイメージは全くない

むしろスタイリッシュでグローバルな雰囲気が漂っている

岩鋳と書いてあるんですけど、南部鉄器のメーカーです。

南部鉄器は岩手県の伝統的工芸品

そもそも南部鉄器って何ぞやって方の為にざっくりと説明すると、

東北、岩手県の有名な伝統的工芸品です。

どんな工芸品なのってことなんですが、お茶会とかでお湯を沸かす鉄瓶だったりとか

急須、鍋やフライパンなどのキッチンウェアとか、風鈴とか香炉のような小物類もあります。

南部鉄器の製造方法

作り方もざっくり言うと、

  1. デザインを起こす
  2. 型を設計する
  3. 型を作る
  4. そこに溶かした鉄を注ぎ込んで固める
  5. 型を外す
  6. 着色し磨き上げる

職人さんの熟練の技でほとんど手作業でひとつひとつ作られます。

非常に高度な技術と手間のかかるものなんですね。

南部鉄器の歴史

そして歴史はちょっと複雑で、まずルーツが2種類あります。

約400年の歴史を持つ盛岡の南部鉄器

約900年の歴史をもつ水沢の南部鉄器

今は岩手県南部鉄器協同組合連合会の加盟業者が作っている鉄器ということで統一されています。

それぞれ、

盛岡の南部鉄器のトップメーカーが岩鋳さん。

水沢の南部鉄器のトップメーカーが及源さん。

どちらも120年以上の歴史ある素晴らしいメーカーさんで、

こちらはその岩鋳さんのたまご焼き鍋となっております。

箱の中身

中を開けていくと、袋に本体と説明書と検査証、組合の紙が入ってますね。

柄について

で、これ取っ手が取れるんですよ。

もう一つ及源さんっていうメーカーの鍋と迷ったんですが、こちら選んだ決め手になった理由の一つですね。

岩鋳さんのは柄が木製なので熱くならないし、手のなじみがいいですね。

僕は木の柄の方が好みです。

メリット

  • 柄が熱くならない
  • 手のなじみが良い
  • 見た目が柔らかい感じ
  • 交換できる

ただ、油とか卵こぼしたとかで継ぎ目に入っちゃうと洗ったりするのに分解しなきゃいけないんでそこが多少デメリットかもですね。

デメリット

・汚れたら分解して洗わないといけない

オイゲンさんのは一体成型になってるので全部鉄でできてるんですよ。

なのでメリットとしては手入れがしやすいです。

継ぎ目がないので汚れても洗いやすいし楽ですね。その代り持ていないくらい熱くなります。

使う時にフキン巻いたり鍋つかみ使わないとダメなんで作るときにいちいちそれやるのめんどくさいなと思ったんで岩鋳さんのにしました。

あとは大きさがオイゲンさんの方がひと回りくらい小さいです。

説明書について

説明書。油慣らしで大事なところだけピックアップすると、

  • お湯でよく洗う
  • 弱火~中火にかけて水分を飛ばす
  • 油塗って野菜くずを3分炒めて油をなじませる
  • 野菜くずを取出し粗熱を取る
  • 軽くお湯で洗う
  • 火にかけて水分を蒸発させる

最初にお湯で洗ってから、火にかけて水分を蒸発させます。

そしたら内側に食用油を塗って野菜くずなどを中火で3分程度炒めて油を充分になじませてください。

野菜くずを取り出して粗熱が取れたら軽くお湯で洗って水分を蒸発させてからお使いください。

とありますね。

これは一番最初の卸し立て使い始めの時に一度だけ必要な工程ですね。

鉄フライパンのシーズニングってやつですね。要は油慣らしして油膜を形成していく作業になります。

これさえ終わってしまえばそれ以降使うときは、火にかけて吸着水飛ばしてから油をなじませてから普通に使うって形ですね。

あとはその他にはIHでの使い方とか鉄分補給できますよーとか錆びた時どうすんのーとか色々書いてありますね。

コチラの鍋なんですけど、シリコン焼き付け塗装がしてありますと書いてありますね。

中華鍋や鉄フライパンもそうなんですけど、

製造して手元に届くまでにさびさびにならないように錆び止めの塗装がされています。

この塗装もいろんな種類があるんですけどガッチリ火にかけて全部焼切っちゃう塗装もあれば、

今回のこのシリコン塗装のように何もしなくて良いってのもあります。

後で実際に詳しく説明しながらやっていきますね。

フライパンのスペック

サイズが 36×15.5×H7.5cm 

<内径>18×15×D2.8cm

重さが1.11kg

まあ、お世辞にも軽いとは言えないですね。これ軽いって言ったらウソです笑

今まで使ってきた一般的なヤツと比べると、サイズはほぼ一緒ですね。

重さは一般的な方は450gくらいなんで倍以上ですね。

確かにレビューにも重いって書いてありました。

でも26cm位の丸いフライパンで炒め物あおったりできるなら気にせず使えるんじゃないかなって感じですね。

重いというか、重いんですけど、今まで使ってきたものと大きさが同じなのに、重さだけ倍増してるから

脳がバグるんですよね。錯覚を起こすというか。

そのせいな感じがします。笑

仕事で使う錫引きの銅鍋の方がデカいし重いしそれ普段使ってますからね。

要はこのサイズ感に対する重量感に脳が慣れていけば問題ないんじゃないかな、

使い込んで脳のバグりが収まれば大丈夫なんじゃないかと。

すごいですね。使えば使うほど軽くなる気がしてくる鍋。的な?

そういうのを期待してますw

シーズニングとは?油ならしで油膜を形成

シーズニングとは一言で言うと油慣らしをして油膜を形成する事

目的は以下の2つ

  • 錆び止め
  • くっつき防止

必要なもの

  • 油塗る道具
  • 野菜くず

望ましい油

  • サラダ油
  • ベニバナ油(サフラワーオイル)
  • ひまわり油(サンフラワーオイル)
  • グレープシードオイル

はい、シーズニングやっていきます。 用意するものは油、野菜くず、油塗る道具。

使用する油について、望ましい油は乾性油です。

乾性油って何かっていうと、放っておいたら空気中で乾いて固まる油の事です。

フライパンの表面に油の堅い膜を作ってサビ止めとくっつき防止を図ろうということですから、

不乾性油や半乾性油だと固まりが弱いので丈夫な油膜にはなりません。

その中でもシーズニングに適していると言われているのが

  • サラダ油
  • サフラワーオイル(ベニバナ油)
  • サンフラワーオイル(ひまわり油)
  • グレープシードオイル(葡萄種油)

オリーブオイルはよく言われるんですけど不乾性油なのでシーズニングには不向きです。

水道のお湯で洗って軽く火にかけて乾かします。新品なんでホコリとかそういうの落とす為ですね。

ポイントが4つ

  1. 煙が立つまで加熱する
  2. 油を全体になじませる
  3. よく焼いて油の酸化と重合を促進
  4. 急冷せず自然に冷ます

それぞれ一つずつ解説していきます

①煙が立つまで加熱する

理由は吸着水を飛ばして油の乗りをよくするためですね。

吸着水というのは、フライパンにくっついている目に見えない水分子のようなものです。

化粧するときと同じでファンデ塗る前に下地作るのと一緒ですよ。乗りがやっぱ違うんで。

もっと言うとそういうのが残ってると水溶性たんぱく質が吸着水と結合してそのまま加熱されて凝固して固着してくっつく

ってことになるんで。

さらに言うとこれは今後も鉄製品使う時の最重要ポイントです。

使う時は必ず煙が立つくらいまで加熱してそれから油入れて少し温度下げてよさそうな温度になったら食材投入って流れは絶対守ってください。

そうすれば食材はくっつかないですから。プロはこの工程は必ず守ってます。

ちなみに鉄フライパンや中華鍋の場合、鉄が青白くなるまで焼いて、四酸化三鉄という鉄に変化させて酸化被膜を作るのも目的ですが、南部鉄器の場合はすでに製造工程で酸化被膜が出来上がっているので、そこまでガッチリ焼く必要はないです。

②油を全体になじませる

理由は油膜を全体に作ることでサビ止めとくっつき防止になる

内側は特に壁やふちもしっかりと塗ってください。裏側は好みでいいと思います。

鉄フライパンや中華鍋は裏も塗ったりするけど南部鉄器の場合はサビ止め塗装残ってるし、うちはIHなんで塗らない。

ガスの方は塗りたい方は塗ってもいいかもしれないです。ちなみに説明書には裏に関しては特に書いてないです。

③よく焼いて油の酸化と重合を促進

理由は油の化学反応で油膜ができるんですけどそのためには加熱が必要である。ということ。

酸化と重合という化学反応なんですけど別に野菜クズ入れずに油塗って加熱するだけでもオッケーです。

じゃあなんで野菜クズ入れんの?ってことなんですけど、理由が2つあって、

  • 油の酸化スピードを速めてくれる効果
  • 香味野菜を使うことで特有の鉄臭さを消してくれる効果

シーズニングのやり方はプロでも人それぞれです。どれが正しくてどれが間違ってるとかは無いです。なぜならみんなそれぞれのやり方でキチンとフライパンが使えてるからです。要は錆びずくっつかず仕事として能率的に、お客様に美味しい料理が提供できればいいので。シーズニングのやり方に固執しすぎて美味しい料理を作るっていう本質からずれてしまうのはちょっと違うと思うし、この南部鉄器のフライパンだって美味しいたまご焼きがおうちで焼ければそれでいいと思うんですよね。

だからシーズニングっつったってそんな難しく考えることないんですよ。理屈は知らないよりは知ってる方がそりゃあいいですけど、プロも色んな理屈を知ってる上で、はしょるんで。それは経験からうまくいくってことが解ってるから。だったら最小限の労力で最大限の成果が得られる方がいいじゃないですか。その方が合理的で効率的ですよね。それがプロってもんです。

こんなこと言ったら身もフタもないけどぶっちゃけシーズニングなんてテキトーで大丈夫です笑

さっき言った鉄製品使う時の最重要ポイント覚えてます?

それさえやってればマジで大丈夫ですからw

④急冷せず自然に冷ます

理由は急激な温度変化による鉄の変形やヒビ、割れの防止

南部鉄器の場合鉄が分厚い分変形よりも割れやヒビの方が怖い気がする。

粗熱が取れれば大丈夫。普段普通に使う分には気にしなくてもいいと思う。

あとは冷めたら中を水道のお湯で流して火にかけて乾かせばシーズニング完了です。

これでもう使わなければこのまま仕舞ってください。

しまう時も1週間以上使わないとかなら、なんかテキトーな油表面に塗っとくと錆びないし週に何回かとかそれこそ毎日使うヘビーユーザーはいちいち油なんかぬんなくて大丈夫です。サビ止め目的なので何の油でも大丈夫です。

次使う時は、何回も言うように、まず加熱して吸着水飛ばしてから油塗って使ってください。

まとめ

最後に一本焼いてみました

M~LLのミックスたまご4個とめんつゆ薄めた出し60cc位なんで大体4:1ですかね。

なので巻きやすい水分量の厚焼きたまごです。

全然くっつかないですね。内心ビビってたんですけどねw初めて使ったけどすごくいいです。

それでいざ返そうとすると重さ忘れますね!

これはうれしい誤算です。

ただそれでもね、重いって方いると思うんで、一度も持ち上げずに作れるような方法なんかも

追々お伝えしたいなと思ってます。

見て下さいこの中身がギュッと詰まったジューシーでふっくらした最高の厚焼きですよ。

食べてみた感想は、

  • 焼き目の香ばしさ
  • ふっくら感
  • ジューシー感

これらが数段レベルアップした感じです!!

たまご焼きは、うまい早い安い楽しい、コスパ最強っていう最高の家庭料理だと思ってるんで、それを当ブログは、南部鉄器を使って、

これからも、卵焼きの美味しさ楽しさ素晴らしさを無限の可能性に乗せて皆様に楽しく解りやすく、できるだけ皆さんにとって、難しいとか、面倒くさい、というのが無いように、お伝えしたい、と思っておりますので、是非また遊びに来てください。

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